■試合結果

ジェフユナイテッド千葉 2ー0 栃木SC
         (前半)0ー0
        (後半)2ー0

【得点者】
 47分 松田 力 (千葉)
 80分 松田 力 (千葉)

【交代(栃木のみ)】
 55分 杉本 真  → 廣瀬 浩二 
 68分 小野寺 達也  → 阪野 豊史
 87分 荒堀 謙次 → 松村 亮

【会場】
 フクダ電子アリーナ

【入場者数】
 8,938人

試合の入りは良かったと思います。立ち上がりから前半は特に千葉を自由にさせてなかったと思いますし、ボールも奪えてたと思います。

試合を通じてチャンスは沢山ありましたが、決定力不足。

後半の立ち上がりに千葉に先制点を許してしまい、わかりやすいように意気消失する選手たち・・・これで流れが変わっちゃいましたね。

その後もチャンスはなくはなかったんですが、勢いづかせた千葉になすすべもなく、後半35分にさらに失点し、0-2で試合終了。

この日の試合結果によって栃木SCは最下位となりました。


この試合は先制点がカギを握ったんじゃないかなと思います。

前半の栃木SCは千葉を抑えることができていましたし、チャンスをしっかりものして先制点を奪っていれば勢いは栃木SCに転がっていたと思います。

逆に前半あまりいい所のなかった千葉は後半先制することで勢いづき、勝利をひきよせることができたんじゃないかなと。


ですから内容的には悲観するものではなかったと思います。栃木SCは技術的なものより自信とか気迫とか勢いみたいなメンタル的な要素が足りないのかなと感じました。


決定力に関しては今の栃木SCにはかつてのロボみたいに何度でも強引にでもシュートを打ち、ゴールをこじ開けるような『個』がいない代わりに組織的にゴールを狙おうとし過ぎるてるようにも思いました。

例えば、後半1点ビハインドの時間帯にペナルティボックス内でゴールを背にして杉本がボールを受けた時、素早く振り向けばコースがあいてたというシーンがありました。杉本とゴールの間にはGKしかいないようなビッグチャンスともいえるタイミングですね。

しかし、杉本は振り向くことなく、まるで初めからそう決めていたかのように、ワンタッチで詰めていた阪野にボールを渡し、阪野は相手DFに囲まれてシュートを打つことなく奪われてしまいました。

自分が無理やりこじ開けるより、普段の練習でやっている連携からのゴールを狙っていたのかな。

勿論、点さえ入れば形にこだわる必要はないです。どんな形でも点さえ入ればいいんですから、ワンツーでゴールが生まれればそれはそれで素晴らしいと思います。

ただ、今回の敗戦でリーグ最下位になった今、いい意味で開き直って、強引にでもシュートで終わるような気概が欲しいなと思います。

水戸戦で本間が魅せてくれたように、かつてロボが魅せてくれたように、どんな角度でどんな位置からでも、何度失敗してもゴールを狙っていくと。前目の選手にはそういうエゴ的な部分が欲しいなと思いました。



さて、これで栃木SCは最下位となりましたが、サッカーの時間の単位を考えた時に、1試合というのはご存知のように90分(プラスアディショナルタイム)で行われます。

年間シーズンは今年のJ2の場合は年間42試合。今33試合が経過して、残り9試合となりました。

1シーズンを1試合に例えると、今は後半およそ26分。現在最下位で20位の岐阜とは勝ち点4点差ですから、まあ、例え方としては後半26分で0-2でいるようなものでしょうか。

実際の試合で残り19分、0-2をひっくり返すことはサッカーではよくあること。

まだまだあきらめちゃいけないし、これからだよね。


そして、こういう苦しい状況になると

『大丈夫、まだやれる。最後まで諦めずに応援する。』

という人もいれば、

『だめだ、もう無理。これで降格だな。』

という人もいます。

・・・こういう時に人間性ってよく出るなぁとつくづく思います。


人間、生きていればうまくいかない時期や、辛く苦しい時期というのは誰しもありますよね。

そういう時って周りの反応に敏感になるじゃないですか。

さっさと見限って離れていく人もいれば、身を挺してでも手を差し伸べてくれる人もいて、そういう時に相手の人間性とかお互いの関係性とかがよくわかったりします。

そういうのとよく似てるなぁと思うんです。

栃木SCはチームとしては非常に苦しい時期です。成績だけではなく、シーズン途中で監督が変わり、ヘッドコーチも去って行った。

そんなチームはさっさと見限るのも方法だと思います。応援しててもきついですし、常勝チームを応援した方が手っ取り早いでしょうしね。

おさる自身はこれまでの栃木SCと自分との関係性も含めて考えたら、苦しい時期だからこそ身を挺して手を差し伸べたいと思うし、そうしなきゃいけないとまで思っています。

そういう意味ではサポーターもチームとの関係性やチームに対する思いというか、どれだけチームに熱情を持っているかということが試されているんだなと。

今、最下位という順位になって、勿論、今の順位は経過でしかありませんけれども、ここでどういう行動ができるか、どれだけ最後まで支えていけるのかというのが試される時期なんじゃないかなと思います。


サポーターだって苦しいですよね。応援そのものもそうですが、日常でもいろんな事をいろんな人に言われる。見下して馬鹿にする人だっているし、同情されたり、文句言われたり、色んなことがありますよね。勝負の世界は勝者が正義みたいなところありますから。我々だって苦しい。

だけど、苦しんだ分だけ今度は笑顔になるだけだし、今の苦しい時期がサポーターとしても成長できるいい機会なんだなとも思います。


今は弓を絞るように苦しい時期。ぎりぎりまで引き絞った矢は強く飛ぶように、どん底の今は上へあがる為に耐える時期なんじゃないかなと。


そんなことを考えながら、昨日は千葉を後にしました。


大変素晴らしいスタジアムでした。