ツイッターでも話題にしたんですが、実はおさるの栃木SC初観戦は、グリスタでジェフ千葉と対戦したのが初観戦です・・・まだ最近の話じゃん!と思うかもですが、2010年のJ2初対決の時ではなくて、実はそれ以前に栃木はグリスタでジェフと対戦してます。
もうかれこれ18年位前になるでしょうか。
Jリーグが始まって、カズだラモスだと騒いでいた頃、海外のスーパースターたちもJチームに移籍してきました。ジーコやピクシー、ドゥンガ、ジュニーニョ、エムボマ・・・今で言えば、カカやロナウジーニョ、シェフチェンコ、クリスティアーノ・ロナウド、イブラヒモヴィッチというレベルのスーパースターがJチームに移籍してきたんです。サッカーファンにはものすごい時代でした。
そんな中、ジェフ千葉(当時はジェフユナイテッド市原)に3度のW杯ファイナリストとなったリティこと、ピエールリトバルスキーが移籍してきます。
リティの凄さは今更語るまでもないですが、当時を知らない方にはこの動画がお勧めかも
とにかく足元のうまさはドイツナンバーワンといっても過言じゃないと思います。ワールドカップの優勝立役者がJにきたということで当時はかなり話題になりました。
その後横浜FCの監督を勤められたりと、指導者としても活躍(?)されてます。まあ、指導者の活躍に疑問符がつく理由は皆さんご存知でしょうけど(^^;
で、そのリティ率いるジェフ市原(当時)。どういう理由だったか忘れちゃったんですが、グリーンスタジアムで栃木SCと対戦するということで、会社のサカオタの先輩に誘われていったのが栃木SC初観戦の試合でした。1994年か1995年の頃です。
今思えば、グリスタができたばかりの頃ですので、スタジアムの杮落としの意味もあったかもしれません。まさか、おさるもその後グリスタに通うようになるとは夢にも思ってなかったんで、すっかり記憶してないです(^^;ただ誘われるままにいって、メインスタンド中央付近で観てたってのは覚えてますが。
当時の栃木SCは栃木県1部のチーム。栃木県1部というのは大雑把に言っちゃえば、J2の下に位置するカテゴリーのJFLの下の関東リーグよりも下の都道府県リーグというカテゴリー。
J1(当時はJはJ1しかなかったですけど)とはあまりにカテゴリーが違いすぎる試合。
・・・なので、今思えばトレーニングマッチとかでもなかったと思います。トレーニングにもならないでしょうし。
おさるは地元の教員チーム見たさではなく、勿論リティ見たさに誘われていったんですが、生リティの凄さ。そして本物のJリーグチームの強さをいうのをしっかり見ることができました。
正確な得点は忘れましたが、ジェフが20点以上とったのは覚えてます。勿論栃木は0点。
大人と子供の試合と言ってもいいくらいの差がありました。
たかが地方の教員チームがワールドカップで優勝するような人のいるチームに勝てるわけないですよね(^^;
勿論、当時の選手は現在両チームに一人もいません。当時、グリスタでジェフと戦ったことを知る人もこの日の観客の中に殆どいないと思います。
ただ、おさるはあの時に初めてグリスタで栃木SCを見たこととか、ワールドクラスのスーパースターのプレーを見れたこととか、大量失点してボロ負けした試合とか、そういう断片的な印象が重なって、個人的にこの栃木グリーンスタジアムで、栃木SCとジェフとが戦うっていうのはものすごい思い入れがあります。
ぶっちゃけ、2010年の対戦時もそうでしたけど、あのジェフと同じカテゴリーでガチな試合ができる日が来るなんて夢のような気持ちになります。
前置きが長くなりましたけど、そういう意味でも、長い間名門として、強豪として君臨してきたジェフ千葉。
今シーズンはここまで3勝1分1敗で乗り込んできた千葉。栃木は開幕で連敗し、アウェイ徳島で今季初勝利したものの、その後引き分け続きの1勝2分2敗と。成績の面でも差がついてきての対戦。
前日の雨が嘘のように晴れ渡るグリスタ。ただ、風が強く、ボールの扱いにも苦慮するんじゃないかなと思うような日でした。
試合は立ち上がりから完全に千葉ペース。特に千葉の10番レジナルドがうまい。足元もうまいしクロスも正確。18年前にここでリティのプレーを見た日がよみがえるかのよう。
このレジナルドがサイド深くまで切り込むと、アーリークロスをあげる。フリーになっていた藤田が合わせて失点したのが前半18分のこと。
作戦なんだか知らないですけど、栃木ってこういう失点が多い。このブログでも書いてたと思うけど、相手にボールが持ててスピードのある選手がいると、サイド深くまで切り込んでクロスをあげられる。そうすると、こういうシーンで必ずと言っていいほどファーサイドの選手がフリーになる。栃木の守備はゾーンなのでマークの受け渡しが難しい面はありますけど、それにしてもあまりにこのパターンが多すぎる。
千葉がここまでポゼッションしていたこと、個の力でも深井やレジナルトにまったく歯が立たなかったこと。なんかも考えると、この時間のこの失点は痛い。後半に入って千葉が完全に守りになったら手も足も出ないではないか。
そんなことを考えているうちに失点から3分後の前半21分。左サイド側のやや距離を残したところで得たFK。和正と菊岡がキッカーの相談。和正がキックフェイント、つられて壁が動いたところで菊岡がピンポイントでヨンファンのドンピシャの距離に合わせると、ヨンファンはそれに応えるかのようにヘッドで得点。
興奮に湧き上がるスタジアム。振り出しに戻ったゲームはその後もやはり千葉ペース。
しかし、後半に入ると千葉もペースが落ち、栃木にも流れが出てくる。
ところがいかんせん、フィニッシュの精度が悪すぎる。GKをかわして無人のゴールにも決められないFW廣瀬。このシーンは反省すべきミス。本職CBとかなら仕方ないでしょうけど、FWはやってはいけないミス。もし、この試合負けていたら敗因はここにあったと責められてもおかしくないくらいのミスですね。まるでW杯の柳沢みたいに(あ、ヤナって昨年、リーグでもやらかしたんでしたっけ)。
後半残りも少なくなってきた時間帯。カウンターを仕掛ける千葉。あせりもあってか、相手のあげたクロスボールに思わず手が出てしまった山形。これがペナルティアリア内のハンドと判断されます(まあ、実際ぎりぎりエリア内でしたけど)。うなだれてしゃがみこむ山形。
強豪千葉相手にここまで頑張ったけれど、万事休す。
キッカーはこの日の先制点をあげた藤田。
両チームのサポーターが祈る気持ちで見つめる。
ピ と笛が鳴り歩みはじめる藤田。
キックの動作に入り、集中する武田。
右方向に蹴る藤田。
武田も同じ方向に飛ぶ。
バシ!と武田がボールをはじく。こぼれ球につめるが、武田ががっちりキープ。
よっしゃぁぁぁぁ!よくとめたタケ!!
まるで栃木が得点したかのように沸きあがるスタジアム!
ややキックが弱かったとはいえ、これはよくとめたよ!ほっとした表情の山形の背中を叩く武田。かっこいいー!!
最大のピンチを防いだことでメンタル的には優位に立った栃木。千葉は当然決めるべきところに決められなかったというダメージを受けているはず。
そして後半ロスタイムも半分以上が過ぎ、誰もが千葉相手に引き分けることができた。とにかく負けなかったなと、帰る準備をしていた人もいたような時間帯。
セットプレーから和正が棗に合わせる。棗もここ一番の場所にボールを落とす。サビアがいったんトラップで相手をかわすと浮いたボールに右足ボレー!
これが見事に決まり、なんとロスタイムに逆転!!!
漫画でもこうはいかないよね(笑)
ゴールしたサビア。興奮しすぎてのユニフォーム投げ捨てイエローはまあ、愛嬌で(^^;
そして、このまま守りきって栃木勝利。
強豪相手にホームで逆転勝利。
そう、あの18年前に手も足も出なかったジェフに、同じ舞台でガチンコで勝利しました。
胸が熱くなるような出来事です。
この日の試合はまさに決めるべき時に決めることができたかどうかが勝敗に結びついたと思います。
例えば最初の失点後。あのFKでヨンファンが決められなかったら、その後後半に千葉が守りに入ったでしょうし、富山戦で証明したようにガチガチに守りを固める相手を崩す力は今の栃木にはありません。交代で入ったサビアも、時間を考えればラストチャンスといってもいいタイミングで決めきることができた。
対する千葉もあのPKを決めていれば、メンタルで優位にたてたし、その後もがっちり守りに専念できたでしょう。
決める時に決める事の重要さを感じた一戦でした。だからこそおさるはFWのミスを責めます。
DFやGKはひとつのミスが即失点ですから、散々叩かれる。ところがFWのミスは得点にならないだけなのでそう叩かれない。だからこそおさるはFWのミスには厳しい見方をする。決して廣瀬が嫌いだとか(むしろ大好きですよ)、久木野がチャラチャラしてて嫌い(まあ実際チャラいですが)だとかいってるわけじゃないです。同じ仲間として心から応援していますが、だからこそ、厳しくみるべき所は厳しい見方をします。愛するわが子を叱る親の心理ですよね。
サポのみなさんも許せるミスと許せないミスを見分けて、許せないミスには厳しく言うことも大切だと思います。擁護してるだけでは人は育ちません。鉄は焼かれて叩かれて強く美しくなります。人間も同様です。
勝って兜の緒を締めろ。昔から言われてることですが、やはり内容的には誰がみても千葉が圧倒していたのは明らか。栃木がボールを持たせてたということもありますが、前半にはボールの出しどころがなくとりあえずのロングボール→競り合いに勝てない→カウンターでピンチ・・・というシーンが何度かありました。
コンビネーションの練習をしているのはよく知ってますし、ワンタッチ、ツータッチでつなぐ意識を持ってることも知っています。相手のプレスにやむを得ずに蹴ってしまう気持ちもわかりますが、自分のとこでボール失いたくないと誰かに責任を擦り付けるのではなく、自らの責任でボールを運んで欲しいと思います。
この日交代で入った小野寺。彼は非常に買っている選手なんですが、この日のパフォーマンスはよくなかったですね。判断ミス、パスミスが多かった。
和正もこの日はサイドに入って好機も作ってよかったんですけど、やや疲れが出てるような印象を受けました。判断ミスというか、フリーでボール受けてバックパスとか、ちょっとありえない動きが多かった気がします。
菅は気持ちが見えてよかったです。菊岡もさすがうまいですね。ただ、文句が多すぎてイエローとられたのはもったいない。
棗も菊岡に怒鳴られてましたけど、かつて悠介が怒鳴る事で入江が成長したように、棗も菊岡に怒られて伸びてくれるといいなと思います。棗のこの日のポストプレーは非常によかったですし。
山形はやらかしちゃいましたけど、あのシーン以外では地味によかったですよ。きちんと仕事してました。ヨンファンもデヒョンも最初に見たときの印象とずいぶん変わりました。非常によかったと思います。パウリーニョが戻ったらヨンファンCBでいけるんじゃないかな。
そしてGK武田。PKをとめたシーンだけでなく、ピンチもしっかり防いで本当にいいGKになりました。ただ勝ってても負けてても遅延するプレーさえなければサイコーなんですけどねぇ(^^;
文句のない劇的な逆転劇を観れてゲーム的には楽しい内容でした。スタジアムでこういうゲームを観れた人はいい思い出になったんじゃないでしょうか。おさるも今回、知り合いがはじめてスタジアムに来てたということで感想を聞いたんですが、やはり凄く楽しかったと、また行きたくなったと言ってくれました(一枚岩チキンにも興奮したみたいですが)。
負けても逆転するというメンタルは今までなかったものです。
これこそ勝者のメンタリティ。
選手たちに植え付けたかったのはこのメンタリティ。
細かいミスや内容でももっともっと言いたいこともありますが、まずはホームで強豪に勝てたこと。そしてピンチをしのぎ、逆転するという強いメンタリティを持ってくれた事。これは文句の言いようがありません。すばらしかった。
次はホームで熊本との対戦。
前節でクンシクが得点決めてますので、恐らく出てくると思います。
監督はかつて現役時代、松田監督と同じチームで戦ったこともあるアジアの大砲高木ぶーちゃん。(ちなみにぶーちゃんというあだ名はゴンこと中山選手が高木監督に使ってるあだ名です)
熊本に勝ててこそ本物。ホームで連勝なるか。
いや、ここで連勝しなくてはいけません!我々はJ1にあがるチームなのですから。
以下おまけ画像